エンタープライズアプリケーション開発とは?目的・メリット・構築方法を解説

エンタープライズアプリケーション開発(EAD)は、企業が業務効率を高め、競争力を強化するためのソフトウェアを構築するうえで重要な基盤となります。
カスタムERPの開発やワークフロー自動化の設計など、多くの企業システムにおいて不可欠な要素です。

エンタープライズアプリケーション開発のソリューションを選ぶ際には、開発プロセスを簡素化できること、そして理想的には関係するさまざまな人が開発に関与できることが重要なポイントになります。

本記事では、企業向けアプリケーション開発の意義や目的、主な機能やメリット、さらにエンタープライズアプリケーションの構築方法について詳しく解説します。

重要なポイント

企業ニーズに合わせたアプリケーション開発

企業のニーズに合ったアプリケーションを開発することで、既製パッケージにありがちな

  • 必要な機能が不足している
  • ビジネスの成長に合わせて調整できない

といった問題を回避できます。その結果、無駄なコストを抑えることにもつながります。

ユーザー中心のアプローチ

エンドユーザーのニーズに焦点を当てることで、実務に役立つアプリケーションを構築できます。こうしたアプリケーションは企業内でも利用が広がりやすくなります。

Visual LANSAの活用

IBM i の開発プロジェクトにおいて、高品質かつスピーディーな開発を実現するローコードアプリケーション開発プラットフォームとして Visual LANSA を利用できます。

エンタープライズアプリケーション開発(EAD)

エンタープライズアプリケーション開発とは、大規模な組織で利用するソフトウェアを設計・構築・運用するためのプロセスです。
一般的な「顧客向けアプリケーション」とは異なり、エンタープライズアプリケーションは企業内部の業務を支えることを目的として設計されます。

主な目的は次のとおりです。

  • 業務ワークフローの効率化
  • データの適切な管理
  • 付加価値の高い機能の提供

エンタープライズアプリケーション開発が必要になる場面

既存のツールや既製アプリケーションが、企業特有の業務ニーズを満たせなくなったときに、エンタープライズアプリケーション開発が必要になります。
企業のニーズに合わせて開発するカスタムアプリケーションは、次のような場面で特に有効です。

  • 事業拡大に伴うシステム強化
  • レガシーシステムのモダナイゼーション
  • 社内外のユーザー体験の改善

このような状況で生じる課題やギャップを埋める重要な手段となります。

エンタープライズアプリケーション開発の目的

エンタープライズアプリケーション開発では、何を実現したいのかが開発全体の方向性を決めます。なぜなら、その目的によって、どの機能を備えるべきかが変わるからです。

とはいえ、企業の本来の目的は、ソフトウェア開発会社になることではありません。しかし、目的が明確でないと、課題ごとに個別のアプリケーションを作ってしまうケースもあります。

以下は、多くの企業が重視する主な目的です。

業務プロセスの自動化

複雑でミスが発生しやすい業務プロセスを効率化する際、エンタープライズアプリケーションは強力なツールになります。
時間のかかる作業や重要な業務タスクを自動化することが可能です。

まずは、ボトルネックとなっている業務やエラーが発生しやすい手作業による処理を特定することが重要です。

例えば、次のようなケースがあります。

社員があるアプリケーションからデータをコピーし、別のアプリケーションへ貼り付ける作業を毎週行っている場合です。
この作業には多くの時間がかかり、入力ミスが発生する可能性もあります。

生産性の向上

エンタープライズアプリケーション開発は、生産性向上にも大きく貢献します。まず、生産性を妨げている要因を特定し、その問題を解決するソリューションを構築します。

例えば、多くの企業では協同作業に課題を抱えています。
オンラインチャットツールで社員同士がつながっていても、業務に関わる大量のデータを効率的に共有するのは簡単ではありません。

このような場合、プロジェクトデータを自動収集して共有するアプリケーションを構築すれば、離れた場所にいる社員とも即座に情報共有ができ、協同作業を円滑に進めることができます。

セキュリティとコンプライアンスの強化

エンタープライズアプリケーションを利用すれば、企業独自のセキュリティ要件に対応したシステムを構築できます。
さらに、データ管理方法やネットワーク、通信経路をアプリケーション側で制御できるため、コンプライアンスの遵守も容易になります。

スケーラビリティの実現

既製アプリケーションでは、企業の成長に伴う新しいニーズに対応しきれない場合があります。
エンタープライズアプリケーション開発では、組織の変化に合わせてアプリケーションの機能を柔軟に拡張できます。

競争力の強化

エンタープライズアプリケーション開発体制を確立すれば、革新的なソリューションを迅速に開発できます。
競争の激しい市場において競合他社よりも先に新しい取り組みを実現できるほか、コスト削減による利益を顧客に還元することも可能になります。

データ分析の効率化

エンタープライズアプリケーションは、業務で発生するデータを処理します。
データを一元管理することで、収集や分析が容易になります。
さらに、分析プロセスを自動化し、データに基づくインサイトを得ることも可能です。

エンタープライズアプリケーションを成功に導く主な機能

アプリケーション開発を成功させるには、予算内で迅速にモダナイズを進めるだけでなく、以下の機能を強化することが重要です。

統合

さまざまなソースからデータを収集する必要があるエンタープライズアプリケーションにとって、統合機能は中核となる要素です。

開発したエンタープライズアプリケーションを中央のハブとして、複数の既存アプリケーションからのデータを統合することで、社員は複数の画面やシステムを切り替える必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮できます。

ただし、統合はアプリケーション開発の中でも特に複雑な領域です。
Visual LANSAでは、ドラッグ&ドロップ操作や事前定義テンプレート、クロスプラットフォーム開発ツールを活用することで、統合作業を効率化できます。
例えば、モバイルアプリのデータと製造システムのデータを統合し、中央で管理できるダッシュボードにまとめることが可能です。

信頼性

エンタープライズアプリケーションの大きな利点は、設計を完全にコントロールできることです。
既製ソフトは多様な企業のニーズを満たすよう設計されているため、複雑になりやすく、エラーやバグが発生する場合があります。
その場合、メーカーのアップデートを待つ必要があり、業務に支障が出ることもあります。
自社開発のアプリケーションであれば、問題が発生しても迅速に対応できます。

カスタマイズ性

エンタープライズアプリケーションは、高いカスタマイズ性を持つことが特徴です。
複数の部門やステークホルダーのニーズに合わせて柔軟に機能を調整できます。
例えば、製品カタログのデータを取り込んでメールを自動生成するアプリケーションを設計した場合、

  • マーケティング部門:見込み顧客の関心が高い製品情報をメールに自動追加
  • サポート部門:サポートチケットに製品仕様を自動登録

といった形で用途を広げることができます。

エンタープライズアプリケーションのメリット

社内でアプリケーションを構築することで、既製アプリでは得られない多くのメリットがあります。

カスタムデータフローによる意思決定の改善

市場における競争力を強化するためのデータや分析は、業態によって大きく異なります。
社内でエンタープライズアプリケーションを構築すれば、重要なデータを統合し、意思決定に役立つ分析環境を構築できます。

柔軟な機能設計

既製アプリケーションのように業界標準の機能に縛られることがありません。自社の業務に合わせて機能を設計し、必要に応じて変更できます。

データセキュリティの向上

エンタープライズアプリケーションでは、データの保存先や転送方法、セキュリティ対策をすべて自社で管理できます。
そのため、クラウドサービスへのデータ保存に不安を感じる企業でも安心して運用できます。

低コストで迅速な開発

適切な開発ツールを選択すれば、外部開発会社へ依頼する場合と比べて大幅な時間とコストを削減できます。
例えば、Visual LANSAのようなローコード開発プラットフォームを利用すれば、通常何時間もかかるコーディング作業を、クリック&ドラッグのツールで簡単に仕上げることができます。

大手自動車部品メーカー、マザーサンヤチヨ・オートモーティブシステムズ株式会社(旧 八千代工業)は、Visual LANSAを活用して業務システムの内製化を進めました。Visual LANSA導入後、部品成形処理システムのWebアプリケーションを構築し、さらに国内5拠点にわたる50の部品加工システム向けソリューション開発も計画しています。

エンタープライズアプリケーションの構築方法

エンタープライズアプリケーションを成功させるには、ニーズの評価から始め、開発プロセスを段階的に進めることが重要です。
主なステップは次のとおりです。

目標設定:
目標を設定する際は、アプリケーションで解決するビジネス課題を特定しなければなりません。また、目指す成果を目標設定の指針として活用します。目標の全体像を把握する際には、社員やその他のステークホルダーに対して、アプリケーションに求めるもの、望むことは何なのかについて、ヒアリングすることも必要になる場合もあるでしょう。

プロトタイプ設計:
プロトタイプの設計プロセスとしては、最初にアプリケーションのページごとのワイヤーフレームの作成を行い、次に、ユーザーインターフェース (外観) や、ユーザーエクスペリエンス (感触) に必要な要素に関する決定を行います。

フロントエンド開発とバックエンド開発:
アプリケーションのフロントエンドは、ユーザー・フレンドリーであるとともに、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスに対応する必要があります。バックエンドは、信頼性の高い機能を提供し、可能であればデータの保存や管理のコストを最適化する必要があります。

アプリケーションの最適化:
最適化プロセスにおける最初のステップはアプリケーションのテストで、異なるユーザーに対する動作・機能が目標にかなっているを確認することです。最適化プロセスは、ユーザーエクスペリエンスの微調整においても重要な要素のため、主要なユーザーからのフィードバックを取り入れながら、何度も構築を繰り返し行われることも多いです。

エンタープライズアプリケーション開発で使用される技術

一般的なエンタープライズアプリケーション開発では、次のようなプログラミング言語が利用されます。

  • Java
  • Python
  • C#
  • JavaScript
  • Kotlin

また、開発効率を高めるために以下のようなフレームワークも利用されます。

  • React
  • Angular

クラウド基盤としては次のサービスが広く利用されています。

  • Microsoft Azure
  • Google Cloud Platform
  • Amazon Web Services

一方、ローコード・ツールを利用したエンタープライズアプリケーション開発では、事前に用意されたコンポーネントを組み合わせるだけでアプリを構築できるため、こうしたツールのほとんが不要になります。ローコードを活用すれば、Python、JavaScript、Swift などの言語を学ばなくてもアプリケーションの開発ができるのです。

ここで特筆すべき力を発揮するのが Visual LANSAです。Visual LANSAが提供する、事前定義ツールやテンプレートを利用することで、開発経験がほとんどない人でも、完全に機能するプロフェッショナルなアプリケーションの構築が可能です。また、業務の効率化、繰り返し作業の自動化、顧客向けWebアプリの開発など、あらゆる目的にも対応でき、Visual LANSAの活用により時間とリソースの節約が可能です。
詳細については、ぜひお問い合わせください。

執筆者
テイラ・カーペンター
ビジネスソリューション、アプリケーションのモダナイズ、IT トレンドについて解説します。彼女の焦点は、現代のテクノロジーを使って、エンドユーザーに力添えすることです。

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