ロジスティックス管理のプログレッシブWebアプリを素早く作成
開発者がプログレッシブ Web アプリを作成することで、そのアプリケーションがモバイルかデスクトップかに関係なく、統一された同様のエクスペリエンスを提供できるようになります。Web の考え方がそれまでとは全く異なり、新しい方法で活用できるのです。これは、ロジスティック・システムの展開速度を高めつつ、製品の市場性を高めることができる 1 つの方法でもあります。
多種多様の Web API をうまく活用することで、プログレッシブ Web アプリはネイティブ・アプリが提供する機能も簡単に実現できます。例えば、WebRTC (Web Real-Time Communication) テクノロジーにおいては、プログレッシブ Web アプリがチャット・クライアントとなり、ピアツーピア・インターフェース経由での接続が可能です。ですから、リアルタイムでロジスティック・データをアプリケーションにストリームする一方で、ライブのビデオ・チャットを同時に行うことができます。プログレッシブ Web アプリは、サービスワーカーとアプリ マニフェストというコンポーネントが追加されています。これにより、Web アプリをデスクトップにもモバイル・デバイスにもインストールできるようになり、オフライン機能やデバイスのネイティブ機能(有効になっている場合)へのアクセスが可能になります。そのため、長く利用してきたアプリケーションをモダナイズする際には最高のソリューションです。
アプリケーションのモダナイズの承認を得るためのヒントについては、IBM の CFOによる記事を参照ください。
プログレッシブ Web アプリとは
プログレッシブ Web アプリは他に比べて速度が速いです。この特徴を活かして得られる主なメリットの 1 つは、上のレベルに到達できるということです。つまり、ネットワーク接続に制限がある、何億人もの世界中のユーザーにアクセスできるようになるということです。当然ながら、エンド・ユーザーはアプリケーションがオンラインで速く、シームレスに動作することを求めています。また、現コンテンツが最新の状態であること、他のアプリケーションとの干渉ができるだけ少ないことも求められます。
プログレッシブ Web アプリの中心となるコンセプトは、Web をよりユーザー・フレンドリーで高性能、かつインタラクティブなものにすることです。Web の進化に伴い、多くのパワフルな標準が提供されており、Web アプリの可能性は無限に広がりました。ネイティブ・デバイス機能 (カメラなど) の活用から、デスクトップとモバイル・デバイスへのインストール機能まで、あらゆる機能が提供されます。このように多機能なプログレッシブ Web アプリを利用することによって、可能性は大きく広がっていきます。
すでにプログレッシブ Web アプリに慣れ親しんでいる方でも、アプリケーションで利用できるこういった標準は実は最近のものではないことはご存知ないかもしれません。変化したのは、サービスワーカーなどの鍵となるテクノロジーの出現です。このおかげで PWA の重要度はこれまでに無いほど高くなり、信頼性と柔軟性を持ち、かつスケーラブルな環境を、ブラウザ内で作り上げることができるようになりました。
プログレッシブ Web アプリ (PWA) の利点
これで PWA の素晴らしさが分かっていただけたと思いますが、企業のロジスティックス業務において PWA を活用するメリットは何なのでしょうか。これは、Pinterest、Twitter、Nikkei を始め、その他の多くの異なるモデルを持つビジネスにおいて実証されていることですが、プログレッシブ Web アプリを使うことで、データ利用を減少させつつ、新規ユーザーの獲得・維持を増加させることができます。プログレッシブ Web アプリを活用することで効果が出たユースケースは多数存在します。
様々な業務における PWA 活用法
プログレッシブ Web アプリをビジネスの活性化に利用する方法は多数ありますが、ここでは、その一部をご紹介します。
- 社員のユーザー・エクスペリエンス向上のため、必要な情報にどのプラットフォームからでもアクセス・検索できるようにする。
- サポート業者が Web ベースのチケット・システムを構築し、デスクトップでもモバイルでも作業が完了できるようにする。
- Web NFC を使用して IoT デバイスと通信し、製造およびロジスティクス関連機器のパフォーマンスについての情報を取り出す。
- コンテンツ管理システム (CMC) を作成して、生徒用のコンテンツにオフラインでもアクセスできるようにし、インターネット・アクセスが制限された状態でも生徒が閲覧・編集ができ、完成した宿題も提出できるようにする。
- 電子商取引に Web 決済 API や Paypal を統合させる。
- モバイルで事故評価アプリケーションが利用できるようにし、事故の写真や動画を撮ることができ、証言を録画できる機能なども追加する。
ロジスティックス管理システムにおけるプログレッシブ Web アプリ活用法
Visual LANSA のドラッグ・アンド・ドロップ・スタイルのユーザー・インターフェースを使うことで、ロジスティクス・システムを簡単に構築できます。アプリをマーケットにリリースするまでの時間が短縮できるだけでなく、Visual LANSA を使用することで、開発者はこの新しいアプリがどのデバイスとやり取りするかを心配する必要もありません。つまり、開発者はデバイスの互換性を気にかける必要がないため、ロジスティクスのソリューションの作成に集中して作業ができます。
結果、ローコード開発者は企業レベルの PWA を比較的早く作成することができます。これをビジネスの視点から見ると、ローコードに投資することで高い ROI を得ることができます。
以下は、ロジスティクス企業が、Visual LANSA を利用することで、様々な成果を得た例です。
- Eagle 社は Visual LANSA を使ってディスパッチ・ボード (運転手や発送の手配を行うための管理表) を新しくしました。
- Federated グループは Windows で コンテンツ・マネジメント・システム (CMS) ポータルを展開しました。
- Geodis Wilson Australia 社は Visual LANSA を利用することで、コスト削減に成功しました。
- ITT-TDS 社は LANSA のローコード・ソリューションを採用することで、開発予算を削減できました。
- Nulogx 社のアプリは、LANSA を使ったことで、アプリケーションがそれまで以上にアジャイルでリスポンシブになりました。
- DSI 社のお客様は仮想サプライチェーン・ソリューションの費用を削減できました。
- Royal Wagenborg 社では、LANSA を使って陸海両方の管理を行っています。
- Walon 社では、LANSA を利用することでワークショップの生産性が向上しました。
- その他のケーススタディ
「2名の開発チームが LANSA の力を借りて、お客様のロジスティック運用の効率化をお手伝いすることができました。」ポート・ロジスティック・グループ
Visual LANSA V15+ を使ってプログレッシブ Web アプリをすぐに作成することができます。
ただし、すでに Visual LANSA を使って開発した Web アプリが存在することが前提となります。
Visual LANSA を使った PWA の構築
対象のWeb ページを選択して、ホームページとして PWA を有効にするページでクリックします。
[オフライン サポート] タブを開き、[オフライン サポート] を選択します。
左下の [詳細] をクリックします。詳細タブの [オフライン] サポートの “なし" のドロップダウンをクリックします。このドロップダウン・メニューから [Web アプリマニフェスト/サービスワーカー] を選択します。
サービス・ネットワークによるキャッシングを利用することで、PWA はオフラインで動作し、ユーザーのネットワーク接続に依存することなくロードできるようになります。例えば、最初はサービスワーカーが常にキャッシュからのコンテンツを提供するようにプログラムすることも可能です。その後ネットワークに移ります。この方法にはプラスの利点があります。コンテンツがキャッシュ内に存在しない場合、サービスワーカーはネットワークに戻り、この情報のクローンを作成して、将来利用できるようにキャッシュ内に配置するのです。
オフライン・サポートの設定が終わったら、[コンパイル] をクリックして、 Visual LANSA で [実行] します。すると、自動的にブラウザで新しいタブが開きます。URL バーにはプラスのサインがあります。このアイコンをクリックして、インストールしてください。これで、この Web アプリがプログレッシブ Web アプリとしてインストールされました。初めての PWA の出来上がりです!