LANSAのBPIソリューションでGreen'sがERPの改修を元通りに
Composerによって、ビジネス・ルールは一目瞭然で、極めて短時間に変更できる。プログラミングもコンパイルも不要。
概要
- お客様: Green's General Foodsは、オーストラリアの食品の製造販売の大手。
- 挑戦: カスタマイズしたGreen'sのERPシステムは、保守が大変で、エラーを作り込みやすく、ERPのアップグレードが困難で高価。
- 解決策: 保守し辛いERPのプログラムの改修から、ビジネスルールをビジネスアナリストが扱えるBPIソリューションに移行。
- 主な効果: 検討した他の複雑なBPMツールの半分のコストで、短期のROI。最小のカスタマイズでERPを導入。
- 使用製品:
LANSA Composer
aXes
会社のビジネスの進め方や他システム連携に適合させるために、パッケージのERPソリューションを部分的に修正したい事は少なくありません。さらに、革新と競争力を得る実際のチャンスがある中で、一般的なERPシステムとのギャップが生じることも少なくありません。しかし、特に保守し辛く、間違え易いソースコードで修正が行われた場合に、これらは時間とともに重荷になります。多くのIT部門は、これらの部分的な修正とインタフェースを維持する為に、時間の大部分を費やしていることに気付いています。
Green's General Foods (Green's)は、どのような固有の機能も諦めずにRPGで開発されたERPの部分的な修正を元に戻す方法を発見しました。150本を超える固有の処理のRPGプログラムが、LANSAのビジネス・プロセス統合ソリューションに切り替えられ、現在は、開発者でなくビジネスアナリストによって管理されています。
挑戦
オーストラリアを本拠地とするGreen's General Foodsは、ベーキングミックスやパンケージミックス、クラッカー、ムーズリ、オート麦、ポップコーン、メープルシロップ、トッピング、グレービーなどの食品を生産供給しています。Green's、Lowan、Poppin、Waterthins、グルテンフリーのBascoなどが商標名です。
Green'sのIT環境は、BPCS 8.0(バージョン8.3からInfor-LXと呼ばれている)が中心のERPシステムで、Paperless(Windowsベースの倉庫管理システム)、EDIサーバー(GXS/InovisのWindowsベースのEDIソフトウェア)などを含む30種類を超える他システムによって補完されています。
2011年にGreen'sに参加した上級ビジネスアナリストAnish Mathurは、次のように話しました。「つい最近まで、BPCSと他システム間の全インタフェースは、カスタムメイドのRPGプログラムでした。しっかりとしたドキュメンテーションがない限り、プログラマーにしか判らないビジネス・ルールが埋め込まれたプログラムが沢山ありました。それぞれのインタフェイスをサポートすることに多くの問題があるので、私達は、そのやり方を変えたいと思っていました。」
「私達は、単なる技術的なミドルウェアツールではなく、ビジネス・プロセス管理(BPM)ができるソリューションを捜していました。探していたのは、プログラムを書くと言うのではなく、ビジネスアナリストがビジネス・ルールを設定し、ビジネス・プロセスの編成が可能なものです。私達は、BPCS ERPシステムをそのまま生かして、ERPの外側で必要な修正を行い、導入したBPCSのカスタム開発を最小限に戻したい考えていました。
単なる技術的なミドルウェアツールではなく、BPMができるソリューションを捜していた
評価プロセス
Green'sは、いくつかのミドルウェアとBPMソリューションを検討しました。当初Anishは、前職で利用経験があったTIBCOとMSのBizTalkに注目していました。「しかし、ライセンス・コストも、ツールを学習、導入、サポートするための投資も考えると、本当は大規模で複雑なBPMツールは適当ではありませんでした。私達は、4人のヘルプデスク・サポート・チームしかありません。私達は、チームを小さなままで維持したいので、そのチームか、1人のビジネスアナリストで管理できる実用的なツールを捜していました。」と、Anishは話しました。
LANSA Composerは、検討されたツールの1つであり、概念実証(POC)の実施の依頼がありました。POCの概要は次の通りでした。:
- Windowsベースの倉庫管理システムから確認済のピッキング情報の抽出。
- 発注数量と在庫数量に妥当性検査を適用して、不足した場合に警告を送信。
- BPCSの請求を起動して、生成された請求書をEDIサーバーに送信。
BPCSに詳しい人々は、自動的に外部システムにトランザクションをエクスポートするためだけでなく、外部システムのトランザクションのインポートと処理を自動化するための、ECM(電子商取引管理)モジュールがあることを知っているはずです。しかし、ECMモジュールは、自動的に請求プロセスをスタートする方法を提供していません。BPCSで請求処理を開始する唯一の方法は、BPCS画面に注文番号を入力することです。
このギャップは、他のLANSA製品が埋めることができます。aXesロボットは、RPGまたはCOBOLなどで開発された5250画面ベースのプログラムを、自動実行するAPI(アプリケーションプログラミング・インターフェイス)です。aXesロボットは、基本的にマニュアルのデータ入力をシミュレートし、.NET、Java、他のアプリケーションと5250アプリケーションの連携を可能にします。
Green'sのPOCでLANSA Composerは、倉庫管理システムから確認済ピッキングを抽出した後に、標準のBPCS請求処理の開始するためにaXesロボットを起動して、特定のBPCSの画面にナビゲートして確認済ピッキングから得られた注文番号を画面に入力して送信しました。
LANSA ComposerとaXes組み合わせが、私達に合ったソリューションになりました。Composerはビジネス・ルールとスマートな機能を搭載して全体を制御し、aXesロボットは、カスタムプログラムを開発して来たのと別の形で、私達が連携の'最後の障害'を乗り越えるのに貢献しました。」と、Anishは説明しました。
ライセンス・コストと、導入の労力を考えると、大規模で複雑なBPMツールは適当ではない
プロジェクト
Green'sは、LANSA ComposerとaXesロボット組み合わせで、最初に最も悲劇的な6つのインタフェースに取り組むことを決めました。6つのインタフェースには、150本を超えるカスタムRPGプログラムが関連していました。:
- GXS EDIサーバーからIBM iにEDI注文を抽出して、ERPシステムが処理することができるフォーマットに変換。
- 注文確認を生成し、その確認をEDIサーバーに送るために、ERPプロセスを起動。
- ピックアップ伝票を生成し、それらの伝票を倉庫管理システムに送るために、ERPプロセスを起動。
- 確認済ピッキングを倉庫管理システムから抽出して、ERP在庫調整プロセスを起動するために、それらをERPシステムに送信。
- 同じ確認済ピッキングに基づいて、請求指図を準備し、送り状の生成のERPの請求プロセスを起動して、電子請求書をEDIサーバーに送信。
- 倉庫管理システムからIBM iに、ASN(事前出荷通知書)を抽出。それぞれのASNに、ERPシステムで合致する注文を見付けて更新して、請求が完成したことを管理。ASNは、ERP請求情報で更新されて、EDIサーバーに送信。
この事例で前述のように、aXesロボットは、Green'sの請求プロセスの自動化において重要な役割を果たしています。それまでは、請求プロセスを自動化するために、複雑なビジネス・ルールを個別に複写し開発されたRPGプログラムを使っていて、それが保守の悩みの種でした。標準のBPCSの請求プログラムを自動化された方法で使うことで、数10本のカスタムプログラムが不要になりました。
標準のECM機能は、条件付きの注文調整ができるほど洗練されていませんでした。また注文処理を進める上で十分な在庫が無い場合は、明細行の数量は、減らすか取り消す必要があります。そして、キャンセルされた明細行しか注文に無い場合は、注文全体をキャンセルする必要があります。これらの妥当性検査は、現在はComposerが行い、適切な注文調整をするために、ComposerがaXesロボットを使って標準のBPCS画面をナビゲートします。
「規則と妥当性検査をComposerに入れて、aXesロボットでデータエントリのギャップを埋めることで、私達は、多くのカスタムプログラムが不要になりました。」と、Anishは話しました。
aXesは、データ入力者が行う在庫の注文割り当てを代行して、'バッチの割り当て'を実行するのにも使用されました。これにより、この機能を実現するBPCSのカスタムプログラムを不要にしました。
規則と妥当性検査をLANSA Composerに入れて、aXesロボットでデータエントリのギャップを埋めることで、多くのカスタムプログラムが不要
効果
「ERPシステムは、標準の方法で使うのが健全です。問題は、多くの変更をした時に始まります。なぜなら、管理するのが難しい複写して埋め込んだ複雑なビジネス・ルールを、最終的に多く抱えているからです。私達は150本を超えるカスタムRPGプログラムを、洗練されたLANSA Composerと、標準のERPプロセスを起動させるaXesロボットに置き換えました。」と、Anishは話しました。
Anishは、両方の製品が学習に時間がかからず、使い易いことが判りました。「私達は、このプロジェクトを6ヶ月と見込んでいました。しかし、最初のいくつかのプロセスを自動化する際に、LANSAのコンサルタントと一緒に2日を過ごした後は、短時間に残りのプロセスを設計し組み立てることができました。ほとんどの作業は約2~3ヶ月で完了し、残る3~4ヶ月は余裕を持って併行テストを行うことができました。」
「古いカスタムプログラムのいくつかは低品質で、その結果あらゆる問題と時間がかかる修正が必要でした。レコードはロックされ、在庫更新は不適切で、請求書とASNを得るのが遅れてトラックが朝方に列を作る事もありました。私達は、問題を解決するのに数時間を要していました。これらのプログラムに、多くの保守と修正の労力を費やしてました。」と、Anishは続けました。
「私達は、決して予想していない数ヶ月の併行稼働のシナリオで、システムをテストすることができました。私達の課題と問題が、新しい環境で無くなっていることに疑問の余地はありませんでした。従って、新しいソリューションの稼働に大きな自信がありました。私達は、プロジェクトが成功であることを知っていました。」
ほとんどの作業は約2~3ヶ月で完了し、残る3~4ヶ月は余裕を持って併行テストを行うことができた
おわりに
ソフトウェア投資におけるROIの計算は、いつでも容易な訳ではありませんが、今回の効果は非常にはっきりしています。私達が、最初からRPGインタフェースを書き換える場合には、60,000ドルから100,000ドルと、少なくとも7人月が必要だった見積もっています。新しいプログラムは、古いRPGプログラムより良い品質であったとしても、根本的に、深くカスタマイズされたERP環境のアップグレードは困難になります。」と、Anishは説明しました。
「私達は他のより複雑なミドルウェア/BPM製品を評価しましたが、導入のコストは、私達がLANSA Composerで導入したソリューションに比べると、少なくとも倍の開きがありました。」と、Anishは話しました。
LANSA Composerは、ファイルをAからBに変換する単なるミドルウェア以上のものです。私達は、実際にそれに規則を入れることができます。これは真のBPMソリューションです。Composerによって、ビジネス・ルールは一目瞭然で、ビジネスが変わる時でも、極めて短時間にルールを変えることができます。プログラミングもコンパイルも不要です。そして、aXesロボットは様々なツールとソリューション間のデータ入力の最後のギャップを埋めてくれました。」と、Anishは結論付けました。
Composerによって、ビジネス・ルールは一目瞭然で、極めて短時間に変更できる。プログラミングもコンパイルも不要。
会社とシステムの情報
- Green's General Foodsは、 Green's (ベーキングパウダー、メープルシロップ、パンケーキとトッピング、 グレービー)、Lowan (ムーズリ、オート麦), Poppin (ポップコーン), Basco (グルテンフリー)、Waterthins (クラッカー、ツイスト、ラボッシュ 他)、Lolly Gobble Bliss Bombs (フレーバードポップコーン)、Paradise (ビスケットとクッキー)のブランド名で製品を製造販売しています。
- Green'sは、BPCS version 8.0とIBM model P7/E4Cを使用しています。
- 詳細はwww.greens.com.auをご覧ください。