JCMの保守スタッフのiPadがサービスと効率を改善
LANSAは、リッチ・クライアントのアプリケーションのみならずモバイルとWebの開発のために、同じツールとスキルを使うことができる
概要
- お客様: 日本金銭機械 (JCM)は、i銀行、小売、売店、ゲーム業界で世界一の金銭処理テクノロジーの提供会社です。
- 挑戦: 事務所と外勤担当者の非効率な紙ベースの報告書、キャラクターベースの画面、重複したデータの入力を、統合された最新のソリューションに移行。
- 解決策: デスクトップ、モバイルアクセスを1つの開発ツールで再開発。
- 主な効果: 顧客サービスの品質とスピードが改善し、スタッフの負荷が激減。
- 使用製品: Visual LANSA
この事例は、日本のiMagazine(www.imagazine.co.jp)の記事を編集したものです。
IBM iユーザーが、5250画面のみしか見ていない場合は、時代にあわなくなったプラットフォームであると感じることは驚きに値しません。IBM iをよく知らない経営者とCIOは、「その古いコンピュータがどれほど時代遅れで、制限があるのか確かめてください。それを何か新しいものと交換しましょう!」と指差し非難する人々に、耳を傾ける傾向があります。
日本金銭機械(JCM)のITチームは、それらの非難が致命的になる前に、LANSAパートナーのNeoaxisの援助を受けて先を見越した取り組みをしました。企業の問題点を見直し、保守と修理のシステムが改良と転換の第一の対象と決めました。現在JCMの150人の保守担当者は、手書き、サイン、カメラ機能を使って修理レポートをiPadを使って作成、送信、また保守データの検索も行っています。コールセンター、管理、品質管理スタッフは、リアルタイムに連携された保守、請求、顧客情報のアクセスに、使い易いリッチ・クライアント・インタフェースを利用することができます。
LANSAで開発されて、IBM iに展開された新しいソリューションは、顧客サービスの品質とスピードを高めることに貢献して、JCMのスタッフの仕事量を大幅に減らしました。
挑戦
日本金銭機械は、グローバルな商標名JCMで、カジノ、ATM、券売機、両替機、自動販売機、他の売店で使われる紙幣鑑別機械などで全世界をリードする会社です。JCMのマシンは、世界のほとんどの通貨と額面金額を処理することができ、主要な大陸での販売とサービスセンターで、名実ともにグローバルな事業を展開しています。
JCMは、日本に200ヶ所を超えるサービスセンターを持っています。日本でその事業操作をサポートするために、JCMは社内で開発された生産管理、販売管理、財務会計のアプリケーションを、IBM i OSで稼働させています。これらのシステムはRPGベースで、1995年から保守運用してきました。
日本のJCMの保守部門は、平均一日当たり100ヶ所の顧客を訪問する150人のほ担当者と保守委託先から成ります。この数字は、日本が、1人当たりの自動販売機台数(580万台の自動販売機、23人に1台)が世界で最も高いことから驚くに値しません。さらに、日本には、パチンコやスロットマシンがあり、さらにATM、券売機などがあるからです。
JCMの新しい保守管理システムの導入前は、顧客の導入製品、製品の位置、サービス/修理履歴の詳細は、Microsoft Accessデータベースに保管されていました。コールセンターの担当者がサービスまたは修理要求を受け取ると、顧客、場所、機械の詳細を確認するためにMSのAccessデータベースで検索していました。
詳細を調べた後に、修理依頼伝票を作成し、顧客に最も近いJCM営業所または外部の保守委託先にそれをFAXしていました。保守担当者はその伝票を持って顧客を訪問していました。修理作業が終了すると、修理報告書を作成して顧客のサインをもらい、JCMの本社に郵送されていました。本社の業務担当者は、修理レポートを受け取り次第、詳細をIBM iの請求システムのみならず、MSのAccessの保守履歴システムに入力していました。
この従来のプロセスは非効率でした。RPGのシステムもMSのAccessシステムも、情報が事務所のスタッフと、現場の技術スタッフで共有されていませんでした。重複したデータ入力と、それに起因する矛盾と入力間違いに加えて、別の問題は、郵送された報告書を待つことで引き起こされるタイムラグでした。これらの問題は、ビジネス上では損失でしかありませんでした。
- リアルタイムの確認が不足することから起こる、遅れと不正確な顧客への回答
- 情報共有できないことによる、交換部品の誤手配と遅配
- 郵送された報告書を待つことで、請求書作成業務が集中し遅滞
- サービス保証契約を遵守するための、現場スタッフと事務スタッフの定常的は残業
RPGのシステムもMSのAccessシステムも、情報が事務所のスタッフと現場の技術スタッフで共有できない
技術の評価
ビジネス・プロセスの改善計画では、保守担当者にモバイル・アクセスを提供し、保守と在庫データの一覧表を作ることになっていました。しかし、JCMは最初に、他のシステムと連携した保守と修理のソリューションを作成する必要がありました。
JCMの情報システムグループの新谷健太氏は、次のように話しました。「私達は、顧客、在庫、請求、製品情報システムと真に連携されたソリューションが必要でした。さらに、私達は、事務所のスタッフに使い易いWindowsインタフェース、保守担当者と保守委託先にモバイルWebインタフェースで、すべての部門が情報を共有できるべきと考えいました。」
「私達は5人のITチームを持っています。それ中で、3人しか開発スキルを持っていません。私達が、RPGおよび5250画面でこのプロジェクトを進めることができないのは、疑う余地がありませんでしたが、他の開発スキルも持ち合わせていませんでした。世の中には山ほどテクノロジーがあるので、私達がどのテクノロジーを使うべきかを決定することは困難でした。」
「いくらかの調査の後で、私達は、IBMパートナーのNeoaxisが推奨するVisual LANSAを開発ツールとして選択しました。4GLシンタックスは、理解し易く、私達にVisual Basicを思い起こさせました。LANSAは、IBM iと強い親和性があり、既存のRPGとCLプログラムと容易に連携させることができました。」
LANSAを選択したもう一つの理由は、リッチ・クライアントのアプリケーションだけでなくモバイルとWebの開発のために、私達が同じツールとスキルを使うことができることでした。特にLANSAの導入事例から、他の多くの企業が同様なプロジェクトで少なからずうまく製品を使っていることも明確でした。」
LANSAは、リッチ・クライアントのアプリケーションのみならずモバイルとWebの開発のために、同じツールとスキルを使うことができる
プロジェクトとソリューション
新谷氏は、更に続けて話しました。「新しい保全管理システムは、リッチなWindows GUIによって連携されたクライアント/サーバーのソリューションに、保守履歴、販売、在庫システムを統合することで開発されました。このシステムは、現在コールセンターと管理スタッフによって使われています。同時に、私達は保守担当者と保守委託先が利用できるようにiPadのモバイルWebアプリケーションを開発しました。」
JCMの3人のプログラマーが、Windowsリッチクライアントの70画面から成るクライアントサーバーシステムを担当し開発しました。アプリケーションは、顧客、機械、保守履歴、予備部品在庫に対する洗練された検索機能を提供し、スタッフは同時に複数のタブを開く開くことができます。
保守担当者のモバイルWebアプリケーションは、20画面で構成され、Neoaxisが開発しました。保守担当者は、顧客、機械、保守履歴、予備部品細部の検索の他に、保守報告の作成に使っています。iPadについての保守報告書は、紙の報告書のレイアウトによく似ており、デジタル報告書への移行を容易にしています。
ソリューションは、"7notes(メタモジ社)"というソフトウェアを手書き認識ソルトと連携して、保守担当者は、データの入力にスタイラス・ペンも使う事もできます。手書きオプションは特に年長者に労働者に好評です。顧客のサインは、スタイラス・ペンと手書き認識ソフトを利用して入力します。
保守担当者は、写真を撮影してレポートに添付することもできます。写真は、Base64でエンコードされ、保守履歴データと共にIBM iサーバーにアップロードされます。
1ヶ月間のオンサイトLANSAトレーニングの後に、要求定義は2013年3月に始まり、約5ヶ月後に完了しました。次の6ヶ月間は、開発、テスト、iPadの実地検証に割り当てられました。最後の3ヶ月間の試用期間の後、2014年2月にコールセンター、管理スタッフ、150人の保守担当者が新しい保守アプリケーションの利用を開始しました。
次の6か月間は、開発、テスト、iPadの実施検証に割り当て
効果
新システムは、顧客サービスの品質とスピードを高めることに役立っています。保守担当者が出先で保守履歴や補修部品の在庫を調べることができるので、仕事をより完璧に手際よく進めることができます。顧客からの問い合わせにも、より短時間に答えることができます。
保守担当者がiPadに入力した修理と保守のデータは、直ちに経理、コールセンター、品質管理の部門で利用可能です。
請求は、修理報告書の受け取りと同時に自動的に作成され、JCMのキャッシュフローを最適化しています。また、保守と請求のデータのリアルタイムの提供は、コールセンターの担当者が、顧客からの保守の進捗や修理費用の問い合わせに、正確に答えることも可能にしました。
保守情報は現在、上手く構造化されていて、JCMが継続的に製品とサービスを改善する品質管理の分析に役立てられています。
保守報告書が入力されているので、再入力も紙ベースの報告書のファイリングはもう必要ありません。これにより、コールセンターと管理スタッフの仕事量を大幅に減らすことができました。管理スタッフの数も、7人から4人に減らすことができました。インパクト分析によると、保守報告書の扱いに関連した工数は、かつての10%になり、残業も30%減少しました。
これらの効率で、保守委託者を3社に減らしても、JCMの自身のスタッフがより多くの仕事をこなし、サービス保証契約を遵守できる確信を得ることができました。
保守担当者は、サイトで保守履歴と補修部品の在庫をチェックして、仕事をより完璧に手際よく進める。顧客からの問い合わせに、より短時間に答えることができる。
結論
このプロジェクトをリードしたJCMの情報システムグループの今西幸治氏は、次のように話しました。「プロジェクトの成功の鍵は、エンドユーザーの積極的な参加でした。私達は容易にシステムのデザインを見せることができ、エンドユーザーはそれに対するフィードバックと追加の助言を返してくれました。正確にビジネスの流れを理解し、改善の対象を視覚化するために非常に役立ちました。それらのフィードバックのお蔭で、私達はより良いソリューションを提供することができました。私は、グラフィカル・ユーザーインターフェースで、エンドユーザーとの緊密な関係を簡単に築けたことに驚いています。」
「もう一つの成功の鍵は、LANSAの多様な機能でした。私達はビジネス・ルールとトリガーを持つその再利用可能なコンポーネントアーキテクチャと、マイクロソフトExcel、PDF、Eメール、ワークフローなどの他社のテクノロジーとの容易な連携を最大限に生かしました。」
「私達のユーザーが、以前は5250画面しか見ていないので、ユーザーのIBM iの認識は乏しいものでした。現在は、彼らは、IBM iのプラットフォームがWeb、モバイル、リッチ・クライアントのアプリケーションをサポートすることが理解されています。適切なツールを使えば、何でもできるのです。」
保守システムプロジェクトの成功に続いて、現在JCMは、5250画面をWindowsクライアントと販売員のモバイル・アクセスで置き換えて、ワークフロー管理と自動化されたEメール機能を追加することで、販売のシステムをモダナイズし、モバイル化することを計画しています。
5250画面しか見ていないユーザーのIBM iの認識は乏しいものだった。現在は、IBM iのプラットフォームがWeb、モバイル、リッチ・クライアントのアプリケーションをサポートすることが理解されている。適切なツールを使えば、何でもできる。
会社とシステムの情報
- 東京に本社を置くネオアクシス株式会社は、IBM iプラットフォームを中心にITソリューションとサービスに提供します。ネオアクシスは、LANSAとIBMのビジネスパートナーです。
詳細はwww.neoaxis.co.jpをご覧ください。 - 1955年に設立された日本金銭機械は、銀行、小売、売店、ゲーム業界で世界一の金銭処理テクノロジーの提供会社です。JCMの本社は大阪にあります。支社は、オーストラリア、中国、ドイツ、香港マカオ、英国、米国、ラテンアメリカにあります。
- 詳細はwww.jcm-hq.co.jpをご覧ください。