デジタルトランスフォーメーション (DX) を強化する API 10選
“デジタルトランスフォーメーション (DX)" は、今日の企業にとっては、未来のハイスペックな計画でもなければ、余裕のある企業が取り組む、無くても困らないオプションでもありません。それどころか、競合他社に置き去りにされずに、今後何年も続く競争で生き残らねばならない企業にとって、DXは差し迫った現実問題であり、必要性も非常に高いのです。
実際に、DX ソリューションの導入率は増加の一途をたどっています。この増加の原因としては、デジタル体験に慣れた顧客が増加したことや、COVID-19 パンデミンクによるデジタル化への需要の高まり、さらには、社内のデータ・フローや可用性に対する改善要望など、様々考えられます。理由はどうであれ、DX 関連のツールやテクノロジーは急速に発展しており、ますます利用しやすい身近なものとなっています。そのため、あらゆる業界の企業がインダストリー 4.0 のソリューションの導入を加速させる一つの引き金ともなっています。
DX の一環としての API
企業が活用できるDX ソリューションは多岐に渡ります。ただし、手頃な価格で簡単に導入でき、目に見えた費用対効果 (ROI) を上げれるソリューションとなると、残念ながら選択肢は限られます。企業の特定のニーズに合わせ、カスタム・アプリケーションを設計・構築できるパワフルな「ローコード開発」プラットフォームは、その数少ない選択肢の 1 つです。
またローコードとは別に、非常に注目されているテクノロジーが API で、ほんの数年前までは中小企業では想像もできなかった、本当に素晴らしい機能が、この API によって提供されるようになりました。ローコード・アプリのパワーについては、これまでのブログでかなり詳しく説明してきましたので、今回は API に焦点を当て、このテクノロジーが DX をどのように後押ししてくれるかを見ていきたいと思います。
API とは?
API はアプリケーション・プログラミング・インターフェース (Application programming interfaces) の略で、異なるコンピュータやソフトウェアを繋げるソフトウェア・インターフェースのことです。開発者は、API を利用することで、複数のアプリケーションとサードパーティのサービス、プラットフォームとのコミュニケーションを確立させます。API を介することで、ソフトウェア・アプリケーションがサードパーティのデータやサービス、機能にアクセスできるようになるため、API は重要なツールでもあります。
DX においても、API は非常に価値のある貴重なものとなっています。企業は大規模な多機能の複合アプリケーションを少ない労力で素早く作成できるからです。"State of API Integration Report" のレポートには、対象の技術専門家の 83% が、自身の仕事において、API 統合は必要不可欠なものであると考えているという調査結果が紹介されています。
API による DX の促進
API の活用は、企業にトランスフォーメーション・プロセスの強化、効率化という大きなメリットをもたらします。以下に、API を利用した際の主なメリットを紹介します。
- 開発プロセスを加速
開発者は API を利用することで、実際の開発に時間を費やすことなく、複雑な数々の機能を素早く実装できます。実際に開発を行う代わりに、強力なサードパーティ機能が利用できるようになるのです。
- 高い拡張性
API を適用することで、企業のソリューションの拡張性を低コストで保つことができます。例えば、使用量が急激に増加した場合など、スケーラビリティは企業にとっては深刻な問題ですが、これを気にする必要がありません。
- 技術革新をより身近なものに
企業が API を導入することで、革新的な最先端技術 (AI、ビッグデータ、機械学習など) を統合できるようになります。また、高価で通常では利用できない機能も API を使用することで、手頃な価格での利用が可能となります。
- シームレスで一貫性のある真のカスタマー・エクスペリエンスを実現
近年の傾向として、迅速かつシームレス、さらに一貫性のある体験を求めるお客様がますます増えています。企業は、この要望に応えていくしか道はありません。API は、一貫性のある、高度なカスタマー・エクスペリエンスを実現するためのツールです。API を利用して、複数の機能やインターフェースを相互接続させ、シームレスな顧客体験を作り上げることができます。
- コラボレーション強化による生産性の向上
多くの企業では、何十種類ものソフトウェア・ソリューションやアプリケーションが使用されているため、異なるテクノロジーが複雑に混在します。通常、この複数のテクノロジーを効率的に連携させる際の鍵となるのが API です。API を使って、様々なアプリケーション間で迅速かつ信頼性の高いコミュニケーションを確立でき、その結果、全体的な生産性の向上にもつながります。
DX に活用できる便利な API 10選
それでは、DX の一環として、これから組織が活用できる API のベスト 10 を見てみましょう。
Pdflayer API を利用することで、HTML や HTTP の URL を高品質な PDF ドキュメントの変換プロセスを自動化できます。この REST API は、PHP、Python、Ruby、jQuery、ajax、Java など、あらゆるプログラミング言語に対応しており、異なる種類のアプリケーションに統合することができます。その結果、あらゆるアプリケーションで、迅速かつシームレスな HTML から PDF への自動変換が可能となります。
Serpstack は、ターゲット検索結果 (SERP) のデータ収集を自動化するリアルタイムの REST API です。この API を利用することで、Google の SERP データや画像・動画の検索結果の大規模な収集が可能になります。CAPTCHA 解決が組み込まれた Serpstack は世界中の大手ブランドで使用されており、グローバルなプロキシ・ネットワークが装備されています。
Scrapestack は、インターネット上の他の Web サイトからデータを収集することができる、リアルタイムでスケーラブルな API です。この API を使うことで、あらゆる Web ページから HTML データを抽出することができます。また、100 のジオロケーション、CAPTCHA、さらに数百万に及ぶ IP に対する IP ローテーションがサポートされています。この API を利用した開発者によると、毎月 10 億以上の要求の処理が可能でき、稼働時間の平均は 99.9 % だったとのことです。Scrapestack は、世界中の多数の ISP が提供する住宅用 IP アドレス、および 3,500 万以上のデータセンターのプールを持ち、実デバイス、スマート・リトライ、IP ローテーション機能がサポートされています。
Screenshotlayer は無料の REST API で、高品質な URL を PNG、JPEG、GIF 形式の Web サイトのスクリーン・ショットやサムネイルの提供が、シンプルな API インターフェースを通して行われます。また、使いやすさと統合性を重視したアーキテクチャで、あらゆるアプリケーション、フレームワーク、プログラミング言語との高い互換性が実現されています。
Mediastack は、世界中のニュース・ソースやブログから記事を取得する REST API インターフェースです。軽量で使いやすい JSON 形式の API で、結果は数ミリ秒以内に提供されます。50 カ国、7,500 以上のメディアにアクセスし、数千件に及ぶ国際ニュース発行元およびブログから、構造化された面白く読みやすいニュースデータが提供されます。また、Mediastack は、1分間に1度の頻度で更新されます。
Weatherstack は、現在と過去の気象データを扱う API で、世界中のあらゆる場所の正確な気象情報を即座に軽量の JSON 形式で取得できます。このAPI は、75,000 社以上の世界中の企業に利用されています。
Positionstack は、順方向および逆方向の正確なジオコーディングおよび埋め込み可能な地図 API です。この API では、緯度、経度、バッチ・ジオコーディングだけでなく、世界中の 20 億以上の住所もカバーされています。また、高いスケーラビリティを持ち、1 時間あたり数百万の要求が処理されます。
Ipstack はリアルタイムの IP 位置情報 APIで、地理的な位置情報を正確に検知し、危険な IP アドレスから発信されたセキュリティ上の脅威を査定することができます。IP 位置情報の API として、さらにグローバル IP データベース・サービスとしては世界的に屈指の API です。さらに iPstack を利用することで、システムにデータが入力される前に、Web サイトの訪問者の位置を探し出し、識別することもできます。
Mailboxlayer はシンプルかつ強力な無料 JSON API で、電子メール・アドレスの妥当性の確認や検証を即座に行うことができます。構文検査、誤字・脱字の確認、SMTP チェックを行い、一時的なプロバイダのフィルタリングも無料で提供されます。
NumVerify はパワフルな REST API で、国内外の電話番号やキャリアの検証を行います。また、開発者や企業向けに、最新の世界の電話番号計画データベースを元に所在地や回線タイプの検索を行います。
ローコードで API を活用してビジネスを変革
上記のように API を利用することで、企業は統合作業に多大なリソースを投入することなく、非常に強力な機能やデータにアクセスできるようになります。このように API を活用することで、未来の可能性は大きく広がります。さらに、ローコード・プラットフォームに API を組み合わせると、アプリケーションやプログラムに革新的かつ真のビジネス価値のある技術を追加できます。その一例が “人工知能 (AI)" です。
「ローコードはAIの未来」では、AIの未来がローコードである理由が説明されています。また、Visual LANSA とサードパーティ API を使って、フル機能の AI アプリを作成する方法も紹介されています。