IBM iレガシー・アプリケーションの課題はLANSAで克服

多くの企業でIBM i (以前のAS/400) が基幹システムとして運用されており、他に例を見ない信頼性・拡張性・セキュリティの高さが評判です。金融・製造などさまざまな業界において、重要な役割を果たすアプリケーションを何十年も支えてきました。ところが、テクノロジーが今までにないスピードで進化する中、IBM iアプリケーションの多くが新技術に付いて行けずに取り残され、実用性に欠け、保守コストも高くなっています。また、こうしたレガシー・アプリケーションは、最新テクノロジーとの統合が困難な場合も多いです。こうした問題を解決するのが、プロフェッショナルなローコードを提供するLANSAです。

LANSAは様々な包括的な開発ツールを提供することで、お客様が迅速に最新の高度なソフトウェア・ソリューションを実装できるよう、お手伝いします。LANSAが提供するさまざまなソリューションを活用することで、ユーザー・インターフェイスの向上から統合の改善、メンテナンス・コストの削減に至るまで、デジタル化が進んだ現代の要件に応えることができるようになります。

IBM iの歴史と進化

1978年に導入されたミッドレンジ(中型)コンピューター”System/38”は、一般の企業向けにさまざまなオプションを提供する一方で、中小企業の要望にも合わせたサービスが提供されました。IBMは1988年にAS/400の発売を開始し、これが2000年には iSeries、2006年にSystem i、そして最終的には2008年にIBM i Power Systemsへと進化しました。IBM iはさまざまな業界で採用され、信頼性とセキュリティの高さ、統合DB2データベースなどの特性により、企業のコンピューター処理における重要な役割を果たし、中核となる機能 (生産計画、品質管理、在庫管理など) をサポートしてきました。

IBMは、多様化するビジネス要件に対応する新しいテクノロジーを長年にわたって紹介し、IBMのポートフォリオにおけるプラットフォーム差別化のために、オペレーティング・システムやサーバーのリブランディングを行ってきました。

IBM iのプラットフォームは、さまざまなビジネス環境に多くの価値ある機能を提供しています。AS/400の統合アーキテクチャのおかげでシステム管理は簡素化され、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティング・システムといったコンポーネントがひとつの環境に統合されます。この統合により全体的な効率が向上し、複雑な仕組みも軽減できます。

AS/400は、信頼性と可用性の高い機能 (ハードウェア冗長性、エラー検出、エラー訂正メカニズムなど) で知られており、ダウンタイムを最小限に抑え、継続的な運用の実現が可能です。同時に強力なセキュリティ機能 (ユーザー認証、権限制御、監査機能など) も装備されています。機密データやアプリケーションを守る安全なコンピューティング環境を提供するためには、こうしたセキュリティ・モデルはシステム設計に不可欠です。

さらに、IBM iシステムはスケーラブルなため、企業は必要に応じてコンピューティング・リソースを拡張することも可能です。こうした機能により、IBM iは現代のビジネスにとって不可欠なプラットフォームとなっています。

IBM iのレガシー・システムを利用する企業が直面する課題

IBM iのレガシー・システムは、多くの企業で基幹システムとして長年にわたり日常業務を担ってきましたが、最近の大きな課題は、進化を続ける今日のデジタル環境に追いつくことです。ソフトウェアは時代遅れとなり、統合も難しく、セキュリティ上の懸念は増える一方、さらに人材不足の問題など、レガシー・システムに依存する企業は、成長と競争力向上の足枷となりうるさまざまな難題に直面しています。以下は、IBM iのレガシー・システムを利用する多くの企業が直面する大きな課題の一部です。

  • レガシー・ソフトウェア
    古くからIBM iのハードウェアやソフトウェアを使用している企業が直面する大きな課題の1つに、"パフォーマンスのボトルネック"があります。結果的にはこれがコストのかかるダウンタイムや生産性の低下につながります。こうした時代遅れのシステムは、今日の変化の速いビジネス環境における要件を満たすことができない可能性が高く、レガシー・システムの運用を続ける企業は、最新のビジネス・プロセスをサポートするための柔軟性や拡張性に欠ける場合が多いため、メンテナンスやアップグレードが非常に困難です。こうした時代遅れのレガシー・ソフトウェアは、ビジネスの成長や効率化の妨げとなり、業務の流れを悪化させ、想定外の遅延を引き起こすなど、最終的にはコストのかかるダウンタイムや生産性の低下につながります。
  • 統合
    多くの企業にとって既存のIBM iアプリケーションと最新のソフトウェアやプラットフォームとの統合は困難な作業です。レガシー・システムのアーキテクチャは、APIによりシームレスに連携された今日のエコシステムを念頭に設計された訳ではないため、統合は複雑かつ時間のかかるプロセスになります。こうした統合のための機能の欠如が原因で、企業はワークフローの合理化やプラットフォーム間のデータ共有、さらに新しいテクノロジーの統合が困難な状況に陥っています。結果、こうした企業は時代遅れのシステムを使い続けるしかなく、データのサイロ化や非効率化がさらに進行して、自動化やイノベーション導入などの機会も失ってしまうのです。
  • セキュリティ上の懸念
    サイバー犯罪が増加する昨今では、データのセキュリティ管理は、あらゆる企業にとって不可欠です。古いレガシー・ソフトウェアは本質的に脆弱で、組織にとっては重大なセキュリティ・リスクにつながる危険性をはらんでいます。時代とともにサイバー犯罪のスキルも進化しており、これに対抗するためには、最新のセキュリティ対策が必須です。パッチや更新を定期的に実行しなければ、システムはサイバー攻撃の格好の標的となり、機密性の高いビジネス・データや顧客データが侵害される恐れもあります。レガシー・ソフトウェアには、ファイアウォールや暗号化プロトコルといった高度なセキュリティ機能がないため、セキュリティ侵害、データ漏洩、マルウェア攻撃に対して脆弱です。また、こうした脆弱性をサイバー犯罪者に悪用され、システムがハッキングされる可能性もあります。ですから、IBM iアプリケーションを最新のセキュリティ・アップデートで更新し、高度なセキュリティ対策でビジネスデータスデータや顧客データを保護することは非常に重要です。
  • 維持管理費
    企業にとってIBM iのレガシー・アプリケーションの保守・更新は高いコストです。ハードウェアのリプレース、ソフトウェアの更新、継続的な技術サポートに関する費用が企業の予算を圧迫する可能性もあります。また、古くから存在するレガシー・システムは修理やメンテナンスの頻度が高くなることも多く、さらにコストがかさみます。加えてIBM iのレガシー・アプリケーションをサポートできる専門スキル自体も希少になっており、有資格者を見つけることが困難かつ割高になっています。ソフトウェアの更新やサポートの継続だけで、会社の予算を使い果たしてしまいかねません。場合によっては、こうしたアプリケーションのランニング・コストが、ソフトウェアの交換コストよりも高くなる場合もあります。
  • 人材不足
    もう1つの大きな課題は、IBM i専門の人材不足です。IBM iを専門とする経験豊富な人材の多くは定年が近く、レガシー・システムを管理し、プログラムの作成・保守ができる熟練のプログラマーを見つけるのは容易ではありません。企業は、IBM iリソース管理に必要なスキルを持ったスタッフの確保やトレーニング、定着に苦労しています。また、社内のIBM iレガシー・アプリケーションに関する知識を持つのが1個人に集中している場合も多く、文書化も困難な状況です。十分な引き継ぎ期間もないまま、担当者を交代しなければならないという事態になった場合は、システム継続の深刻な懸念となりかねません。

IBM i環境の信頼できるパートナー「LANSA」

LANSAは、IBM iのモダナイゼーションからシステム統合ソリューションまで、幅広いソリューションを提供することで、お客さまのレガシー・アプリケーションのアップグレード、既存投資の最大化をお手伝いします。LANSAを使用することで、レスポンスが高く、カスタマイズも可能な、安全でスケーラブルなWebサイトやアプリケーションを構築することができ、企業独自の要件やニーズに合わせた調整も可能です。LANSAは、お客さまがビジネス・ソリューションを迅速に実装できるよう、以下のような様々な包括的なソフトウェア製品を提供しています。

aXes

ユーザー・インターフェイスは、Webアプリケーションの最も重要な要素の1つです。IBM iのレガシー・アプリケーションのユーザー・インターフェイスは、旧式のスタイルで効率も悪く、生産性やユーザー満足度を下げる要因となっています。この問題を解決するのがaXesで、コードを1行も書くことなく、ユーザー・インターフェイススのパネルをWebユーザー・インターフェイスに変換できます。このツールを使うことで、画面のルック・アンド・フィール(外観と操作性)が簡単に変更でき、正しく設計されたテーブル、機能的なドロップダウン、ボタンのテーマなども利用可能です。食品業界のリーダーである株式会社J-オイルミルズでは、ユーザーのニーズを満たすためのレガシー・システム更新という難題に取り組まなければなりませんでしたが、aXesを利用することで、アプリケーションのインターフェイスを素早くモダナイズでき、より直感的で効率的なユーザー・エクスペリエンスを実現できました。
参照:aXesの概要 – インストールしただけの環境で5250画面をすばやくWeb対応!

Visual LANSA

企業がIBM iのレガシー・システムで直面する問題の1は、新規アプリケーション開発と既存アプリケーションのモダナイゼーションの複雑な作業です。この問題は、Visual LANSA を利用することで解決できます。Visual LANSAが提供する強力なローコード・アプリケーション開発プラットフォームにより、アプリケーションの作成とモダナイゼーションを簡素化できます。また開発者は、フロントエンドとバックエンドの両方のコンポーネントで単一言語を使用できるため、開発プロセスも加速できます。Visual LANSAのドラッグ・アンド・ドロップ式のウィザードやテンプレート、フルスタック開発のための統一言語を活用することで、コーディング作業を最小限に抑えたアプリケーション構築が可能になります。視覚化された開発環境には、事前定義のテンプレートや再利用可能なコンポーネントも装備されており、開発者はアプリケーションを簡単に作成・変更できます。
参照:Visual LANSAチュートリアルシリーズ #1 – ウィザードを使用したアプリの作成

Visual LANSAは、LANSA PortalizeやLANSA Commerce Editionといった高度なツールのベースとして機能しています。これらのツールでは精巧なローコード・プラットフォームが活用できるため、現代のビジネス・ニーズに合わせたカスタマイズやサイズ調整なども可能となります。

Portalize

IBM iのレガシー・システムを利用する企業では、最新のアプリケーション・ポータルの開発・管理が難しく、高度な機能やユーザー管理機能が提供できません。LANSAのPortalizeは、企業が安全かつカスタマイズ可能でスケーラブルなWebポータルを非常に速く構築できるように設計されています。Portalizeを利用することで、カスタマイズされたポータルの作成や保守のプロセスが簡素化され、ポータル開発に関連する複雑な作業が軽減されます。このソリューションでは、開発者にポータルのフレームワークが提供されます。このフレームワークにはそのまま利用できる多くの重要な機能が装備されており、カスタマイズも可能です。複雑なバックエンドの作業に時間を費やす必要がなく、ユーザー・エクスペリエンスの向上のための作業に集中できます。

RAMP

アプリケーションで競合他社との差別化を図るには、独自の機能を提供する必要があります。LANSAのRAMPツールを利用すれば、新機能の組み込み、サードパーティ・ソフトウェアのシームレスな統合が可能です。さらに、既存の機能を活用しながら、アプリケーションを最初から構築することもできます。ですから重要な機能は保持しつつ、最新のテクノロジーを使用したアプリケーションを作成することが可能です。新機能の追加はアプリケーションにとってのメリットも多く、TAM (Total Addressable Market、事業が獲得できる可能性のある全体の市場規模) が拡大できると同時に、効率や顧客維持率も向上し、結果的にユーザーの定着率も上昇します。

LongRange

IBM iのレガシー・システムでは、一般的にモバイル機能を提供することが難しいため、業務効率が制限され、重要なデータや機能へのアクセスが制限される可能性があります。LongRangeは、iPhone、iPad、Androidデバイス用のネイティブ・モバイル・アプリケーションを簡単に作成できる高度なモバイル・アプリケーション・ビルダーです。現存のRPG、COBOL、DDSの専門知識を使ったIBM AS/400およびデータとのやり取りも可能です。このソリューションを利用して、企業はレガシー・アプリケーションをモバイル・プラットフォームに拡張でき、社外にいるユーザーのアクセシビリティや機能性を向上できます。大型船舶への日用品や食料品、船舶用部品などの供給から事業を拡大してきた会社富士貿易は、LongRangeを使って、IBM iシステムと連携したモバイル・アプリケーションを開発しました。このモバイル・ソリューションのおかげで、作業ミスが激減し、現場の担当者にも喜ばれました。

参照:九州三菱自動車販売株式会社様 iPadでの見積書作成アプリのご紹介 Part 1

LANSA BI

今日のビジネス環境には膨大な量のデータが溢れており、これを実用的なインサイトに変換することが難しい場合も多いでしょう。DB2 Web Queryなどの従来のBIツールでは機能に制限があり、パフォーマンスが遅いことも相まって、データが持つ潜在能力を最大限に活用することが困難です。この戦略をLANSA BIに切り替えることで、データ分析とレポート作成機能の両方を大きく強化できます。DB2 Web Queryでは基本的なクエリとレポート作成機能が提供されますが、LANSA BIを利用すれば、既存のIBM iアプリケーションをシームレスに統合でき、機能をさらに発展させることが可能です。LANSA BIでは、リアルタイムにインサイトに簡単にアクセスできるだけでなく、対話型ダッシュボード、ガイド付きの自然言語クエリ (NLQ)、AI-支援のインサイト生成、データ・ストーリーテリングなど、幅広い高度な機能が提供され、データの視覚化、レポート作成、分析が大幅に改善され、企業はより深い洞察が得られることで、データ駆動型意思決定を行うことができるようになります。
LANSA BIの最大の強みの1つは、組み込み型分析です。強力な分析をビジネス・アプリケーションに直接組み込むことにより、ワークフローを乱すことなく意思決定プロセスを改善できます。LANSA BIを利用することで、生データを有益な情報に変換でき、データ駆動型意思決定を行えるようになります。

参照:LANSA BIの特徴を解説「どうやって作るの?LANSA BI作成手順のご紹介」Part 1

IBM iアプリケーションの未来はLANSAから

多くの企業が、今なおビジネスに不可欠なアプリケーションの実行にIBM iを使用しています。IBM iは信頼性・セキュリティが高い環境ではありますが、同時にレガシー・アプリケーションは、質の低いユーザー・エクスペリエンス、難しい統合、高い管理コストといった課題に直面しています。LANSAは、こうした課題を解決するための包括的なソリューションを提供します。既存のアプリケーションのモダナイゼーションから新規アプリケーションの構築まで、LANSAのプロフェッショナルなローコード・ツールを活用することで、現代のデジタル環境における競争力を加速することができます。

LANSAでIBM iをフルに活用

レガシー・アプリケーションをLANSAのプロフェッショナルなローコード・ソリューションを使ってアップグレードすることをご検討ください。LANSAでは、aXes、RAMP、LongRange、Visual LANSA、LANSA BIなど、用途に応じたさまざまなツールを提供し、IBM iアプリケーションのモダナイズをお手伝いします。モバイル拡張、リアルタイム分析、シームレスな統合、強力なセキュリティといった高度な機能を活用することで、レガシー・システムを将来の変化に対応できるアプリケーションに転換し、同時にパフォーマンスを最適化できます。

モダナイゼーションと効率化への第一歩を踏み出しましょう!LANSAを使って、さらにダイナミックでユーザーフレンドリーなIBM iアプリケーションにするための方法についての詳細は、こちらからお問い合わせください。

LANSAコミュニティに登録する

IBMi(AS/400)をご利用の企業様必読!
LANSAを利用したIBM iの活用方法・成功事例をお届け致します。