モジュール化でIBM i のモダナイズを加速
テクノロジーはかつてない速度で進歩を続けており、社内システムを最新に保ちながら、効率的な運用を実現することがますます困難になってきています。中でもレガシー・アプリケーションは統合の柔軟性に欠け、スケーラビリティも限定的なため、急速に進化する環境でパフォーマンスを維持することさえ、ひと苦労です。加えて、システム全体のオーバーホールのコストやデータ損失のリスクは、企業にとって大きな問題となっています。
このような問題を解決できるのが、LANSAのRAMPです。RAMPを活用することで、社内システムを中断させることなく、モダナイズを実現できます。RAMPの動的なフレームワークとVisual LANSAのプロフェッショナルなローコード・プラットフォームを併用することで、レガシー・アプリケーションを簡単にモダンでユーザー・フレンドリーなシステムに変換でき、未来の変化にも対応できるアプリケーションにすることができます。
重要なポイント
- モダナイズのコストを抑え、システムの中断を避けたい企業には、モジュール化によるモダナイゼーションは必須です。
- 段階的なアプローチを取るRAMPを使用することで、企業はそれぞれのペースでモダナイズを推進できます。
- フレームワーク主導のRAMPでは、モダナイズの工程が構造化されます。RAMPを使用することで、システムのパフォーマンスを犠牲にすることなく、効率的にアプリケーションをモダナイズできます。
- RAMPはリフェイスされたグリーン・スクリーンと新しい開発を組み合わせることで、新旧のギャップを埋めます。既存システムのコア機能を維持しつつ、ユーザー・インターフェースをモダナイズし、新機能を追加することが可能です。
RAMPのモジュール型モダナイゼーション
RAMPとは?
RAMPのモダナイゼーション
LANSAのRAMP (Rapid Application Modernization Process) は、モジュール型のモダナイゼーション・ソリューションで、既存のIBM iアプリケーションの変換を簡素化・加速化させることができます。RAMPは柔軟かつ段階的なアプローチを採用しているため、ユーザーは時間をかけて徐々にアプリケーションのモダナイズを進めることができます。RAMPを活用することで、既存システムのコア機能を維持しながら、ユーザー・インターフェースを更新し、新機能を統合することができます。
ユーザー・インターフェースを更新し、新機能を統合することで、レガシー・システムの寿命を延ばすことができ、運用が中断されることもありません。このアプローチを採用すれば、企業はそれぞれの条件に合わせ、独自のペースでモダナイズを進めることができるのです。
RAMPのメリット
レガシー・システムを効率的かつ効果的に刷新したいと願っているお客さまにとって、LANSAのRAMPによるモダナイズには多くのメリットがあります。RAMPを使用することで、複雑なアプリケーションのモダナイズを簡素化できるとともに、ユーザー・エクスペリエンスを向上させ、長期的に適応させていくことができます。
RAMPの主なメリットは以下のとおりです。
- 1つのツール、1つのスキルセット:RAMPでは1つのツールとスキルセットが提供されており、開発者は業務のIT関連のあらゆる問題に対応することができます。開発者はこの1つのスキルセットを使って、Windowsアプリケーション、モバイル、Webブラウザ・アプリケーションを作成でき、業界標準 (RESTful APIなど) を使用した統合も可能です。
- フレームワーク主導のモダナイゼーション:RAMPのユニークなフレームワークを利用することで、モダナイゼーションのプロセス全体を管理でき、プロジェクトのステークホルダー間のコミュニケーションを円滑に進めることができます。
- 非侵入型アプローチ:非侵入型 (直接的な接触や干渉を行わない) アプローチを採用することで、基礎となるコードに変更を加えずに、既存のIBM iアプリケーションのモダナイズが実行できます。ソースコードの準備は必要ありません。
- あらゆる5250アプリケーションをサポート:DDS (データ記述仕様) のないアプリケーションを含め、あらゆる5250アプリケーションのモダナイズが可能です。
- 戦略的モダナイゼーション:即効性のあるソリューションを提供すると同時に、プラットフォームの独立性を保つための長期計画も提供します。
- 迅速なリリース:段階的アプローチを取ることで、モダナイズが加速されると同時に、リスクも軽減され、市場投入までの時間を短縮することができます。
- ハードウェアのアップグレードが不要:LANSAがサポートするIBM iアプリケーション (特にRPG/COBOLアプリケーション) であれば、RAMPが利用できます。(スプール・ファイル・マネージャーやデータ・エクスプローラーを利用せず) aXes を使って画面のリフェイスを行い、ハードウェアやOSのアップグレード不要の互換性が提供されます。RAMPのスクリプトはWindowsとIBM iサーバーで実行できますが、aXesが実行できるのはIBM iプラットフォームでのみとなります。
レガシー・システムから新規アプリケーションを素早く構築
RAMPを使ってIBM iアプリケーションをモダナイズできますが、Visual LANSAフレームワークを活用することで、アプリケーション開発のライフサイクルを加速させることができます。開発者は効率良くコーディングを進めることができ、IBM iシステムのシームレスな統合、プロセスの自動化が実現できます。
RAMPの開発手順
ステップ1:アプリケーションの計画
開発プロセスにおいて、最初にアプリケーションのモダナイズ計画を立てます。この計画を立てるためには、アプリケーション構造の詳細を示す設計図が必要です。この計画は開発プロセスの基盤となるものなので、適切な計画を立てることで、効率的かつスムーズに開発を進めることができるようになります。
- 5250アプリケーションの目的と要件の定義:5250アプリケーション開発の明確で具体的な目的とモダナイゼーションの目標を設定します。要件全体を挙げるだけではなく、モダナイゼーションの目的 (ユーザー・エクスペリエンスの向上、新システムとの互換性向上、機能拡張、ワークフローの効率化など) も定義します。こうすることで、開発者は全体像を理解できるとともに、モダナイゼーションに期待されている内容の詳細も把握することができるため、最終成果物が将来の目標やニーズから大きく外れることがありません。
- アプリケーション構造のマッピング:アプリケーションの概要を作成します。主要機能やコンポーネントを洗い出し、これらを論理的モジュール (注文処理や注文管理など) に分割していきます。モジュールに分割することで、異なるコンポーネントがどう連携し、システム間でデータがどう移動するかを把握できるようになります。アプリケーションをモジュールやコンポーネントに分割することで、ブループリントを作成することができるのです。
ステップ2:プロトタイプ作成
プロトタイプを作成することで、開発を実際に開始する前にアプリケーションをビジュアライズできます。開発者は、さまざまな機能のプロトタイプを複数作成し、できるだけ早い時点でステークホルダーに提示することで、合意を得られたものから順次進めることができるようになります。
以下の画像のように、プロトタイプにメモを残すことも可能です。
プロトタイプへのメモや画像の追加
RAMPとVLフレームワークを使用して作成された最終プロトタイプ
- ユーザー検証のためのプロトタイプ作成:プロトタイプの段階からエンドユーザーにも関わってもらうことが重要です。この段階からフィードバックを収集することで、ユーザーのニーズに応えるアプリケーションのモダナイズが実現できます。RAMPのインスタント・プロトタイピング・アシスタントを使用すれば、複数のプロトタイプ・バージョンを作成することができ、ユーザーと共に比較・検討することが可能です。このプロセスを経ることで、ユーザーの要望を把握でき、早い段階での問題解決も可能となるため、結果的に、よりユーザー・フレンドリーな製品に仕上げることができるのです。プロジェクトを成功させるには、初期の段階からユーザーに関与してもらうことが不可欠ですし、そのことで、ユーザーから支持を得ることもでき、新しいアプリケーションを共に開発しているという連帯感を育むことができます。
プロトタイプで問題を確認
- 問題の特定および修正:エンドユーザーとプロトタイプ作業を行う際に、開発者はRAMPで特定した問題をVisual LANSAを使って直接修正することができます。Visual LANSAを使用することで、アプリケーション・ロジックを管理でき、パフォーマンスの最適化を図ることができます。
ステップ3:アプリケーション・ロジックの開発
アプリケーション・フローを管理するためには、アプリケーション・ロジックの作成は必須です。ロジックを作成することで、アプリケーションがシームレスに作動し、異なるパーツがスムーズに連携するようになります。
RAMPのスクリプト・ツール
- RAMPスクリプト・ツールの活用:RAMPには強力なスクリプト・ツールが装備されており、Visual LANSAフレームワーク内で反復タスクの自動化、各機能のロジック定義、アプリケーションのナビゲーションなどの処理を行うことができます。例えば、複数の手順を経て行うデータ入力の検証が可能です。複数フィールドへのデータ入力をRAMPが個別に検証し、不整合があればリアルタイムで通知します。大量の手動チェックを省くことができ、精度と処理速度も向上するため、アプリケーション全体の効率を向上させることができます。
ビジネス・オブジェクトの定義
- ビジネス・ルールとワークフローの実装:Visual LANSAリポジトリにビジネス・ルールやワークフローを統合することで、RAMPが統合した画面とのやり取りがスムーズになります。
上記のような機能を活用することで、アプリケーション全体のユーザー・エクスペリエンスも向上し、機能性を維持しつつ、直感的かつ効率的なアプリケーションにすることができます。
ステップ4:配布
モダナイズされたアプリケーションの十分なテストが完了すると、いよいよ本番環境への移行となります。
RAMPのアプリケーション
- 5250アプリケーション起動の準備:モダナイズされた5250アプリケーションを配布する前に、必ずテストを徹底的に実施するようにしてください。すべてのエレメントが連携して正しく機能し、(データフロー、ユーザーインターフェース、バックエンドプロセスを含む) 全体像に一貫性があることを確認します。RAMPのフレームワークを使って開発したアプリケーションは、Web、モバイル、Windowsなど、さまざまなプラットフォームに配布できます。
- Visual LANSA配布ツールによる配布:最後のステップは、モダナイズされたアプリケーションをVisual LANSA配布ツールを使って配布することです。アプリケーションは、MSI (フル・インストール) またはMSP (パッチ・インストール) で作成することができ、LANSAの配布テンプレートを使ったクラウド環境 (AWS/Azure) でのスケーリングもサポートされています。
RAMPのモジュラー技法で開発を加速
LANSAが提供するRAMPは “モジュラー技法" を採用しており、既存システムを中断させることなく、レガシー・アプリケーションをモダナイズすることができます。この技法を使うことで、開発プロセスの効率を向上させることができ、シームレスに既存システムと連携する、モダンで革新的なアプリケーションを作成できます。コストの高いハードウェアのオーバーホールも不要です。
開発者はRAMPの構造化アプローチ (計画からUIデザイン、統合、開発、テスト、配布まで) を活用することで、アプリケーションを段階的にモダナイズでき、リスクを軽減し、納品も迅速に行うことができます。
RAMPを利用することで、アプリケーション開発を迅速に進めることができ、モダナイゼーション・プロセスを加速できると同時に、将来の変化にも対応できるアプリケーションの開発が可能となります。
RAMPのモダナイゼーション機能をぜひご覧ください!
アプリケーションのモダナイゼーション・プロセスを加速させる方法を知りたい方は、RAMPのモジュラー型モダナイゼーション・ソリューションが、既存IBM iアプリケーション変換を簡素化・迅速化させる様子をぜひご覧ください。こちらのYouTube動画を視聴していただくか、LANSAのモダナイゼーションのプロに問い合わせて、アプリケーションのモダナイズを開始しましょう。