IBM i グリーンスクリーン・アプリのモバイル化
IBM i の5250 グリーンスクリーン・アプリ (アプリケーション) は非常に堅牢ではありますが、モノリシック (分割をせずに全て同一のモジュール) 構造のため、そのままWeb環境にシームレスに移行することができません。また、IBM i のグリーンスクリーン・アプリには、機能面の制限もあり、日々変化するユーザーからのさまざまな要請に対応することも簡単ではありません。では、このようなアプリをモバイル化するための解決策は何なのでしょうか?IBM i モダナイゼーション・ツールを使用する必要があるのでしょうか?このブログでは、グリーンスクリーン・アプリのモバイル化について解説していきます。
- 1. モバイル機器からIBM i アプリへのアクセス
- 2. グリーンスクリーンからグラフィカル ユーザーインターフェース (GUI) に移行するメリット
- 3. 最高のユーザー・エクスペリエンスを提供するには
- 4. グリーンスクリーン・アプリをGUIに変換する技術
- 5. ローコード・ソリューションを使って最新のWebおよびモバイル・インターフェースを構築
- 6. IBM iアプリのデータ・ビジネスを保持して、ユーザーインターフェースのみを変更
- 7. IBM iグリーンスクリーン・アプリの一部とユーザーインターフェースを同時に変更するテクニック
- 8. LANSAで変換して、ROIの最大化・生産性の向上を実現
- 9. グリーンスクリーン・アプリをモバイル・アプリに変換
- 10. FAQ (よくある質問)
モバイル機器からIBM i アプリへのアクセス
IBM i にアクセスするためのモバイル・ソリューションとして、IBM i Access for Web (5770XH2) があります。これを使用すると、ブラウザをサポートするものであれば、どのモバイル・デバイスからでもIBM iのリソースにアクセスすることができます。
グリーンスクリーンからグラフィカル ユーザーインターフェース (GUI) に移行するメリット
高い生産性
GUI への移行は、想像以上に簡単です。また、グリーンスクリーンを使用しないからと言って、機能性が犠牲になるわけではありません。むしろ、機能性と生産性の両方を向上できるのです。
たとえば、アニメーションのグラフィックや調整可能なグラフィックなどはGUIでは簡単に実現できますが、テキスト・ベースのグリーンスクリーンでは容易ではありません。さらに、WRKACTJOBやWRKSPLFといった特定のIBMコマンドをGUIから実行することも可能です。つまり、柔軟性と生産性の両方の利点を享受できます。
高い利便性
キーボードやコマンド行を使い慣れている人には、最初はメニューのクリックが面倒に感じるかもしれません。ただ、これも慣れると、GUIの方がはるかに操作しやすいと感じられると思います。また、ナビゲーションも以前よりも簡単なため、誰でも手軽に利用できるようになります。
簡単なアップグレード
GUI はブラウザ・ベースのソリューションのため、活用すればさまざまな大きなメリットを得ることができます。たとえば、エンドユーザーのクライアントPCのユーザーインターフェースを更新する必要がありません。デスクトップのフットプリントを完全に排除でき、その結果、速く配布できます。また、保守の手間も大幅に省かれます。
最高のユーザー・エクスペリエンスを提供するには
製品へのアクセスを簡単にすることで、高いユーザー・エクスペリエンスが提供できます。その手法の1つが、モバイルでレスポンシブ・デザインです。この手法を使うことで、あらゆる種類の最新デバイスでアプリを実行できるようになります。
モバイルのレスポンシブ・デザインは非常に重要です。Google Mobile Playbookによると、ユーザーの57%が、モバイル・アプリのデザインが悪いビジネスは推奨しないと回答しており、ユーザーの40%が、モバイル・エクスペリエンスが悪いという理由で競合他社のアプリに変更したとあります。
つまり、効果的なレスポンシブ・デザイン戦略を立てることが非常に重要だということです。効果的なレスポンシブ・デザインを提供することで、ユーザーにあらゆるデバイスで最高のエクスペリエンスが提供できるのです。
グリーンスクリーン・アプリをGUIに変換する技術
「スクリーン・スクレイピング」という手法を使って、グリーンスクリーン・アプリをGUIに変換することができます。IBM i 5250のグリーンスクリーンを最新のユーザーインターフェースに変換でき、レガシー・アプリケーションをモダンな表示に変換することができます。
ローコード・ソリューションを使って最新のWebおよびモバイル・インターフェースを構築
Visual LANSAを使って、モダンなWebおよびモバイルのインターフェースが構築できます。Visual LANSAは、生産性が高いローコードのソフトウェア開発プラットフォームで、システム統合を簡単に実行できます。また、他にはないデジタル変革テクノロジーが提供されているため、手書きのコーディングを大幅に削減できます。さらに複数言語もサポートされています。Visual LANSAが提供するソリューションは非常に生産性が高いため、開発チームは、アプリケーション構築速度を最大10倍まで向上できます。つまり、Visual LANSAは世界最高のローコード・ソフトウェア開発プラットフォームの1つなのです。
IBM iアプリのデータ・ビジネスを保持して、ユーザーインターフェースのみを変更
ビジネスやデータを保持した状態でユーザーインターフェースのみを変更するには、さまざまな方法があります。
スクリーン・スクレイピング
スクリーン・スクレイピングは、モダナイゼーションの技術の1つです。レガシー・アプリケーションの見た目を良くすることができ、IBM i 5250 のグリーンスクリーンをモダンなユーザーインターフェースに変換することが可能です。
スクリーン・スクレイピング・ツールを使用することで、レガシー・アプリケーションの表示を最新のものに拡張できます。このツールを使って、レガシー・アプリケーションの元の画面コンテンツをキャプチャして、ブラウザに簡単に表示できます。
スクリーン・スクレイピングにより、アプリケーションを魅力的な外観にすることができす。ただ、既存の機能はそのままです。
参考: IBMのAS/400に未来はない? モダナイゼーション戦略を考える
ユーザーインターフェースを新規に追加
新規にユーザーインターフェースを追加することで、レガシー・アプリケーションをアップデートできます。効果的に画面コンテンツをモダナイズすることが可能です。
ビジネス機能を呼び出し可能サービス (例: REST API) として公開
呼び出し可能サービスとは、組織におけるさまざまな処理 (割引の計算、顧客注文の取得など) のことで、複数のロジックが個別に集められたものです。他のアプリケーションからWebサービスまたはリモート・プロシージャ・コールを利用してアクセスできます。
レガシー・アプリケーションを REST APIなどの呼び出し可能サービスに変換することができます。変換することで、他のアプリから簡単にアクセスできるようになります。
IBM iグリーンスクリーン・アプリの一部とユーザーインターフェースを同時に変更するテクニック
以下は、他のレイヤー (またはその一部) と共にユーザーインターフェースを変更する際に役立つテクニックです。
アプリケーション移行
移行テクニックを利用して、レガシー・アプリケーションの一部の機能ブロックを取り出して、最新のアプリケーションに移行することが可能です。このテクニックを使うことで、レガシー・アプリケーション全体ではなく、運用に関する業務プロセスをモダナイズできます。この手法で大切なことは、移行前に、ビジネスに大きな影響を与える重要な業務処理を見直し、吟味することを忘れないことです。
この移行手法は非常に便利です。たとえば、ERPのレガシー・アプリケーションがあったとしましょう。このアプリケーションは、財務、管理、請求といった複数のモジュールから構成されていますが、この移行手法を使えば、別のアプリケーションを使って財務を管理することができるようになります。そのため、アプリケーション内で複数のモジュールを使用する必要がなくなります。
アプリケーションの書き換え
「アプリケーションの書き換え」は、すべてを最初から構築することです。IBM i のレガシー・アプリケーションを書き換えるには、最新のツールとテクノロジーを利用する必要があります。
プログラミングの言語変換というアプローチを取るというオプションも考えられます。この方法により、機能性は維持しつつ、最新のテクノロジーを使ってレガシー・アプリケーションをモダナイズできます。
たとえば、モダナイゼーション・ツールを使ってレガシー・アプリケーションのソースコードを読み取った後、別のプログラミング言語 (JavaやC#など) に変換します。
アプリケーション置換の費用対効果
IBM i のレガシー・アプリケーション置換とは、レガシー・アプリケーションを廃止して、新しいアプリケーションを購入することです。
データはレガシー・アプリケーションの重要なコンポーネントですが、これを新しいアプリケーションに移行する必要があります。ただし、これには大きなリスクを伴います。たとえば、データ変換によって運営業務が中断される可能性もあります。この問題を解消しようと、アプリケーションの置き換えを検討しているかもしれませんが、費用対効果は高くありません。その理由は、一般的に新しいシステムの方がコストも高く、導入にも時間がかかるからです。
LANSAで変換して、ROIの最大化・生産性の向上を実現
LANSAでは、IBM i グリーンスクリーンをモダナイズできる強力なツールaXesを提供しています。aXesを使って、IBM の 5250 グリーンスクリーンをWeb対応のアプリケーションに変換できます。また、ソースコードを変更する必要がないため、作業を大幅に簡素化できます。
LANSA aXesのデモは以下のリンクからご覧ください。
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=di4pSm3CENU&t=226s
グリーンスクリーン・アプリをモバイル・アプリに変換
グリーンスクリーンをモダンなモバイル・アプリに変換する準備は整っていますか?モダナイズの世界に飛び込む心の準備はできましたか?まずはaXesを使ってアプリケーションのモダナイズを開始しましょう。aXes は非常に使いやすく、簡単にグリーンスクリーン・アプリを最新のGUIに変換できます。
IBM i グリーンスクリーンのアプリのモバイル・アプリ変換に関する詳細はLANSAにお問い合わせください。
FAQ (よくある質問)
IBM のグリーンスクリーンとは何ですか?
AS/400で処理を行っている場合、ユーザーのインターフェースは5250端末エミュレーションになります。これがグリーンスクリーンと呼ばれるものです。
グリーンスクリーンのアプリはどのように使われていますか?
IBMグリーンスクリーンのアプリはPC/5250エミュレーターと同様の機能を持つ、拡張5250ターミナルを提供することで作動します。カスタマイズ可能な複数セッション (99件まで) がサポートされています。
グリーンスクリーンを使うのは簡単ですか?
はい。グリーンスクリーンを使うのは簡単です。LANSAのaXesとRAMPを利用することで、グリーンスクリーン操作を簡素化できることを体験してみてください。